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天ノ空レトロスペクト
僕らの街に、未来と追憶<レトロスペクト>を――。
天ノ空市――それは十年前に、天星町と空見町が合併してできた、人口六万人ほどの小さな街。
市内の学園に通う学生・藤堂シキミは自身の所属する掃除部部長、大空ひまりや後輩である天宮しのんと共に平穏な日々を送っていた。
『星見記念堂の灯台にあるエレベーターのボタンを、ある一定の順番で押すと異世界への扉が開かれるらしい』
ある日そんな噂と共に、委員会から掃除部へ灯台内部の清掃依頼が舞い込んでくる。
偶然そこで読書をしていた奇矯なクラスメイト・石生楽深澄を交え、彼らは掃除中に偶然エレベーターの謎を解いてしまう。
本来行けないはずの、灯台の最上階。
そこに広がっていたのは、幻想的な巨大図書館だった。
異世界『リメンブランス』――シキミ達はそこで静かに眠っていた、アマホシという一人の少女と出会う。
「協力して欲しいのです。拾い集めて欲しいのです、散らばってしまった街の記憶を――」
天ノ空レトロスペクト。
彼らの青春は、街の息吹と共にゆっくりと変化していく。
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